ただアトリエではない何処か見知らぬところへ出たくて、
夕刻あてもなく車を走らせた。
ビジネス街らしきの細い通路は閑散としていて、
とにかく適当に車を停め、そのまま民家の合間を縫って走り出す。
5キロ以上走って少しずつ西日が傾き始めた頃、
ふと迷い込んだ丘からこれを見つけた。
何年か前の夏に麓まで行った、古い給水塔と誰も住む者のいない団地。
間近まで行ったものの写真を撮る位置もなく、入ることも出来ないため、
長らくここは電車で下から刹那眺めるだけになり、
いつしか忘れていたのだ。
ここから見る彼らは、間近で見るよりロマンチックだった。
周りの新しい住宅群に四方を囲まれながら、もう
ずっと長い間このまま。
こういった「あの建物っていったいなんだろう」
そして「近くまで行ったらどんなだろう」という素朴な感情が
私の原点なのだと、
汗を拭きながらつくづく思った。
そして、祝日の閑散としてキャンパスから
こっそり立ち去る。
夕刻あてもなく車を走らせた。
ビジネス街らしきの細い通路は閑散としていて、
とにかく適当に車を停め、そのまま民家の合間を縫って走り出す。
5キロ以上走って少しずつ西日が傾き始めた頃、
ふと迷い込んだ丘からこれを見つけた。
何年か前の夏に麓まで行った、古い給水塔と誰も住む者のいない団地。
間近まで行ったものの写真を撮る位置もなく、入ることも出来ないため、
長らくここは電車で下から刹那眺めるだけになり、
いつしか忘れていたのだ。
ここから見る彼らは、間近で見るよりロマンチックだった。
周りの新しい住宅群に四方を囲まれながら、もう
ずっと長い間このまま。
こういった「あの建物っていったいなんだろう」
そして「近くまで行ったらどんなだろう」という素朴な感情が
私の原点なのだと、
汗を拭きながらつくづく思った。
そして、祝日の閑散としてキャンパスから
こっそり立ち去る。