2014年07月
7月17
7月8
発作的に走り出したのは、ほんとうに知らない町だった。
飛行機がまだ低くを飛び、町中いたるところに自衛官がちゃりんこで走り回っている、
見たことのない地域。
戦後そのままのような古くて天井の低そうな集合住宅と、外車が何台も並ぶパレス
のような一戸建てとが無節操なまでに乱立するエリア。
なんだか町の正体がよくわからないままに一時間近く彷徨い続けて
汗だくになり、ようやく車に戻って帰りかけた時に見かけた景色がこれだった。
ふと後ろを見ると、買い物帰りの若い兄ちゃんも、子供の手を引いて帰る
おばちゃんも、みんな空をぽかんと見ていた。
自分以外に空を見上げている人がいる。
そんな光景は、それが日常茶飯事な芸大以外では本当に
珍しいことだった。
わけもなく、少し嬉しくなった。
飛行機がまだ低くを飛び、町中いたるところに自衛官がちゃりんこで走り回っている、
見たことのない地域。
戦後そのままのような古くて天井の低そうな集合住宅と、外車が何台も並ぶパレス
のような一戸建てとが無節操なまでに乱立するエリア。
なんだか町の正体がよくわからないままに一時間近く彷徨い続けて
汗だくになり、ようやく車に戻って帰りかけた時に見かけた景色がこれだった。
ふと後ろを見ると、買い物帰りの若い兄ちゃんも、子供の手を引いて帰る
おばちゃんも、みんな空をぽかんと見ていた。
自分以外に空を見上げている人がいる。
そんな光景は、それが日常茶飯事な芸大以外では本当に
珍しいことだった。
わけもなく、少し嬉しくなった。
7月1
外を走ったのは、締め切り直後に勢い余って路地を疾走して以来だったと思う。
驚いたのは、周囲があまりにも静かで穏やかだったということ。
「あれ?音がしない」と違和感を感じるほどの、感覚のズレだった。
そして初めて気づく。
つい先日まで路地を疾走していた時、私は常に何か得体の知れない圧力に
追いかけられているような感覚であったことを。
あまりにそれが日常化し過ぎて気づかなかっただけなのだろう。
しばらくサボっていたので体力的に衰え息も絶え絶えだっだけれど、
気持ち的には何処までも行けそうな気がした。
あのような状況下で創作することが、果たして正しかったのかどうか
未だにわからない。
ムンクではないが多少風景が歪んで見えていたには違いなかった。
でも、やはりそれを「そんなもんさ」と肯定したくはないものである。
少しでも楽しんで描いてゆける、そんな道を、
例え逃げ水のようなものであっても追いかけてゆきたい。
驚いたのは、周囲があまりにも静かで穏やかだったということ。
「あれ?音がしない」と違和感を感じるほどの、感覚のズレだった。
そして初めて気づく。
つい先日まで路地を疾走していた時、私は常に何か得体の知れない圧力に
追いかけられているような感覚であったことを。
あまりにそれが日常化し過ぎて気づかなかっただけなのだろう。
しばらくサボっていたので体力的に衰え息も絶え絶えだっだけれど、
気持ち的には何処までも行けそうな気がした。
あのような状況下で創作することが、果たして正しかったのかどうか
未だにわからない。
ムンクではないが多少風景が歪んで見えていたには違いなかった。
でも、やはりそれを「そんなもんさ」と肯定したくはないものである。
少しでも楽しんで描いてゆける、そんな道を、
例え逃げ水のようなものであっても追いかけてゆきたい。
プロフィール
待井健一
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