今宵、千里の片隅で。

日本最古のニュータウンの片隅で、 画家・待井健一は今日もちくちくと制作しています。

2014年04月

乱戦。

GW何処吹く風。
朝起きて制作し、お昼を食べて制作、
夕刻ジムに行って汗を流し、
また制作。

達成感について考える。
私の場合、描き始めが「いい!」と思えることはほぼ皆無。
特に中盤あたり、もうどうしようもないくらいよどんだ状態に
なっていて、
これだけ沢山描いていて、何故にまだここまで
ひどい作品を描けるのかと感動すら覚える。

が。
それをのたうち回ったり奇声を上げたりしながら
描いて直してまた描いて、
無理矢理気に入るところまで引きずって持ち上げてゆく。
その執念としつこさが報われた瞬間は、
確かに「達成感」と呼べるものを味わっている
気がするのだ。

まあ何事も先へ進めばそんなものさと割り切りながら、
あとひと頑張り。

・・・
これが後ろではなく、先であれば良いのだが。

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吹き抜ける遠い記憶。

ここへ来たのは、何年ぶりか。
かつては毎年のようにここへ沢山引率して点呼して、ビル風に吹かれながら奮闘する子達を見回っていた。

スケッチ場所が中崎町に変更されて、もう何年くらい経つのだろう。
年代をごちゃ混ぜに、いろんな子達のエピソードがふと蘇って、
少し胸が詰まった。

思えばあの頃の私はこんな形で昔を振り返ることになるなんて夢にも思ってなかったし、
本当に何も知らなかった。

締切が全て終わったら、
一人空中庭園で風に吹かれてみたい。

image

 

プロヴァンス・・・?

方向感覚すらわからないくらいの、所謂預かり知らない場所というものが、
自宅周囲数キロ範囲からどんどん消えつつある。
こればかりは、まさに取材と気分転換を兼ねて
あちこちくまなく走り回っている自分の自己責任。

偶然車を停めた見知らぬ町を走り回る。
観光地でも何でもない、ただの生活空間を
分け入っていく行為は、
冷静に考えると甚だ怪しい。

そしてどれほど単なる住宅地だと思っていても、
必ず何か目を引くものがあるのは
ありがたいことである。

なんだか突然おフランスだか何処だかのような
一軒家がぽつんと。
個人宅・・・なのか何らかのお店なのか。
自分の住んでいる街をくまなく見たという人もまずはいまいが、
それ以上に「なりたちを知っている」なんて人も、
そうそういないのではあるまいか。

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近くて果てしなく遠い。


制作中に資料を漁っていたら、ふと紛れ込んでいた写真。
何気なく近所の夕暮れを撮ったものが、今になってこんなにも貴重な
ひとコマになるなんて、思いもしなかった。

もうここは跡形もない。
私が個人的に「下品マンション」と呼ぶ、
灰色やら赤茶色やらに塗られたマンション群に
埋め尽くされ、線路沿いの西日が届くことは、もうない。

確かここは、ホームレス中学生という映画に使われた場所だったはず。
ここを駆け下りてゆく主人公を観て、何も前情報がなかった私は、
いきなり徒歩5分圏内が全国版に映し出されたのを見て仰天したのだった。
そして、その時から既に「きっと、この映画に出てくる数々は
貴重な記録フィルムになるだろう」と思って、
愛しむように観ていた。

時間に追われ、大好きな団地群をテーマにした作品達はいまだ数少ないまま、
もうその8割以上が消失してしまった。
あと3年もしないうちに、この街は全く違う姿へと変貌するに違いない。
その時、私は果たしてここを故郷と呼べるのだろうか。 

 IMG_1939
プロフィール

待井健一

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