今宵、千里の片隅で。

日本最古のニュータウンの片隅で、 画家・待井健一は今日もちくちくと制作しています。

2013年05月

トンネルの奥に。


GWの喧騒どこ吹く風。
久しぶりに迷い込んだ深い路地は、しっとりと湿っていた。

四方の排水溝からいつもちょろちょろと水が流れていて、
テレビの音、煙草のにおい、風呂の掃除をするブラシの音まで、
人一人が通れるくらいのうす暗い路地に溢れている。

大通りからおそらくは直線で20メートルと離れていないのだろう。
なのに細く小さく切り取られた空から降る光はわずかで、
コンクリートの地面にはびっしりといろんな色の苔が生えていた。

五感で描く楽しみ。
感動を自分の手でなぞる喜び。
許されるならば何日も通い詰めて、徹底的に向き合ってみたい、
そんな衝動に駆られた。

しかし、なかなか現実はそうはいきそうもなく、
残りは現地での写真をたよりに完成させるはめに。
もっとギタンギタンに描き込んでみたいのだけれど・・・

IMG_2822

北米からの使者。

IMG_2735





















幾多の災害に見舞われたうちの水槽に、久しぶりの新たなメンバー到来。
スネークヘッドのような胴体、ポリプテルスのような鼻管。
世界中で一族一種、一年でほぼ一回きりの入荷しかないという、
なんとも変り種の古代魚、アミア・カルヴァ。

背びれを波打たせながら泳ぐ独特のスタイルに
もう何年も前から惹かれてはいたが、
まさか自分のうちに招くとは思っていなかった。

長年愛した古代魚たちを日ごとに聖地に埋めに行く
あの悪夢のような日々からしばし時が経ち、
水槽は第4世代に突入する。

ただ、
今目の前で見ているわずか5分足らずの間に、
既にメダカを7匹食べた。
今まで投入された直後は萎縮して水槽の隅っこに
縮こまっているのが常だと思っていたのに、
よもやまさか入居早々バイキングに走るとは。

そして夜間しかメダカを追えない先住人達に対し、
こやつは明らかに昼夜問わずスピードで
彼らを捕捉できるようである。

たった一種しか生き残らなかった化石世代の
珍種。何を巻き起こそうというのか。

プロフィール

待井健一

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