今宵、千里の片隅で。

日本最古のニュータウンの片隅で、 画家・待井健一は今日もちくちくと制作しています。

2012年10月

夜明け前。

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生活リズムの大幅変更で、こうした光景を目にすることが
多くなった。
それでも、毎日一瞬として同じ表情はないので毎日新鮮。

今日はいつにも増してドラマチックになっていた。
休日のせいか、いつも以上に雑踏がなく、
秋の虫の音が遠くのほうからもよく聞こえてくる。

どんな週末になるのだろう。
いつものように筆を洗い、キャンバスと資料を広げて、
出立までつかの間の制作。

なんだかいつにもまして落ち着かない。

孤島にて。

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明日の来場日を控え、少しだけ覗いてみた。
何もかも初めてのことで、会場にいたのはわずかな時間だったのに、
会場を出る頃にはどっと疲れが。

よくよく考えてみると、
人生生まれてこのかた、百貨店の化粧品コーナーという場所には
全く縁などあるはずもなく、
足早に通り過ぎるだけの場所だった。

そのど真ん中に会場があるのだから、
一歩外に出ればそこはもう完全に異世界なのだ。
というより、異世界の中心に孤島のように
会場があるという印象。

販売やその他の方々のご尽力で、
展示スペースが地味に拡大。
ほんとに壁面のみでやるのかと思われた展示場に、
なんとか20点前後が並んだ。

全くの未知。
いつもの個展だって会場に向かう時は、
「今日は何が起こるだろう」という期待と不安が
ぐるぐるに渦巻いて電車に揺られるものだが、
明日明後日はひときわ、という感じ。

おそらくジュエリーや雑貨系をやるはずの場所に
何故か絵画が鎮座しているというシチュエーションが、
うまく働いてくれるとよいのだけれど。

うって変わって静かな午後。そして前夜。

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奇跡のような瞬間だった。
あの街の時計塔というのは、これの何百倍大きなもの
なのだろうかと想像していた。
もうすっかり秋めいた空。
ドラマ「白い巨塔」をお昼に見た直後であったのが
少し笑える。

つい最近出た「北摂るるぶ」なるものを手に取って、
ふと記事の片隅に出ていた団地群に赴いてみた。

もうずっと前からすぐ下の道路を何100回となく行き来していたのに、
そこから上に上がったのは初めてだった。
山麓からさらに急階段を上へ上へ。
大阪平野が完全に眼下におさまるくらい高い場所に、
ひっそりと団地の群れがいた。

それは不思議な光景だった。
ここにある建物はどれも今下界で取り壊されているタイプと
同じ年代のものなのに、
おそろしいくらいに手入れが行き届いていて白く綺麗だった。
集会所も小奇麗で周囲の庭の手入れもされており、
ここだけが完全に別世界になっていた。
まさしく山麓に隠れた独立共和国のような趣き。

そしてこれも奇妙なのが、
地面は乾いた土ではなく、どれもしっとりと苔むしていたのである。
苔と真っ白な団地という、一見完全なミスマッチが、
この集落を一層非現実にしていた。

昨日の出来事を歩きながらゆっくりと振り返る。
アトリエで生まれたわが子の最後の行き着く先を、
幸運にも見ることができた日。
新築の大豪邸の玄関に住まうことを許されたその作品を久しぶりに見た時、
私はかつてないくらい自分の作品に対して
「わが子」という単語を思い浮かべていた。

プロフィール

待井健一

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