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どこをどう歩いたのか、ビジネス街のビルの谷間を縫い歩くうちに、
およそ10年ぶりにここへたどり着いていた。

平日の午後だというのに何かのイベントらしく屋台が立ち並び
大道芸人が技を披露し、
あちこちでビールを飲みながらくつろぐ人が。
川に隔てられて、ここだけ時間がゆるゆると流れているような気がして、
私もつられてのんびり気分。
思わぬところで日常のループを抜けることができて、
一人川べりを歩きながら深呼吸した。

締め切り間近とはいっても、個展直前のように追い詰められて
どうしようもないというわけではない。
そう考えると、ここで暖かい日差しを浴びながら
ビールなんか飲んでしまってもいいんだなんて思うと、
なんだか想像しただけで満たされてしまった。

中州の突端の芝生に、外人さんが一人気持ちよさそうに
うつぶせで日向ぼっこをしていた。
すぐに私と目が合った。
なんだか「人生もっと楽しみなよ」と言われた気がして、
私はなんだか苦笑いのようなよくわからない笑みを浮かべて、
そのまましばらく川風に吹かれてみた。