5a4b303e.jpg雷鳴が響き、厚い雲がゆっくりたなびいてゆく。
いきなり前の車両さえ見えないくらいの豪雨に見舞われたかと思うと、
急に晴れ間が覗き、絵に描いたような真っ白な入道雲が行く手に現れた。

湯船に浸かりゆっくり目を閉じると、
雨粒がひっきりなしに顔を濡らす。

ここからの眺めは数年前からずっと変わらない。
田舎の古い家屋と農道と沢山の緑と。
誰も景色に目もくれずにいるので、
一人露天に片足を浸けながら鮮やかな木々を眺めた。

再び嵐の中へ漕ぎ出す前に、束の間こんな時間が欲しかった。

日記帳を紐解いてみよう。
夕暮れにはソフトクリームを食べて、
今までのこととこれからについて
ゆっくりと思いを馳せてみたい。