120628_1912~01


がらんとしたアトリエから北の空をのぞむ。
おびただしい数の資料を拾い集めて整理し、
とりあえずは悪化しきった体調の回復につとめた。
できればもう6月終わりに本気でストーブを焚くような
事態にはなりたくないと思った。

つくづく思うが、制作机というものは
その時の精神状態というものを露骨なほどよく現している。
久しぶりにアトリエは実は広かったのだということを思い出した。

まだ本番は始まっていないしやるべきことは
山積。
しかし、昨日の終わり約3時間と今夜。
そこだけは少し深呼吸していたい。
しばし遮断されていた外気や夕餉の匂いや
子供たちの笑い声がなんだか懐かしい。

こんな日々は、
演劇でも製菓の時にも、きっと多かれ少なかれ等しく
あったような気がする。
6畳の下宿に3人が泊まりこんで、
一人はオーブンと格闘、
一人は大急ぎでオブジェを作り、
一人はただ延々とシュガーペーストを麺棒でのばして刻んでいた。

あそこから既に干支が一巡り以上。
私はほんの少しでも前へ進めたのだろうか。