今宵、千里の片隅で。

日本最古のニュータウンの片隅で、 画家・待井健一は今日もちくちくと制作しています。

あの灯。

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ブログタイトルの雰囲気をちょっとばかり意識したような作品。
実際私はバーには行かないし、相当あちこち歩き回ってはみたが、
この町に眺めのよいラウンジやバーなるものの存在は未だ聞いたことがない。

しかし何故だか遠くに赤い明滅を眺めることのできる
大きな窓のカウンターを思い描くことができた。

作品によく出てくる飛行機用の赤い灯は、
おそらく幼少の頃祖母の家の2階から見たものだ。

祖母の家の構造はちょっと変わっていて、
隠し扉や地下室があって、昼間も陽が射さない2階の小さな窓には鉄格子が
はまっていた。
夜になると2階に上がるのは相当の勇気が要ったが、
その鉄格子の隙間から見える遠くの赤いちかちかが、
私にはたまらなく不気味で、そして何故だか魅力的だった。

それは大人になって車を手に入れてしまえばいつでも行くことは
できるのだけれど、
その間近まで行っても、望んでいたものはどこにもない。

遠くからの眺めにのみ姿を現してくれる、
町の不思議のひとつ。

再起動。

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再び新天地へ。
なんてことのないただのブログ移転なれど、アナログな私にはなかなかの冒険だった。

以前の移転は本当に悲劇以外の何物でもなかった。
約5年ぶんの日記がサーバーのトラブルやらで消失し、
まさに焼け野原のような気分で書き始めたものだった。

地元の池のほとりの景色を写したものから始まった記憶だけが今も鮮明に
残っていて、
あの頃はまだちゃりんこで市民体育館に通っていた、そんな時代だった。

あれからまた5年近く経って、
日常は思った以上に大きく変わった。
まるでそれに連動したかのように、ウン十年暮らしたニュータウンは、
日々刻々とその眺めを変えつつある。

町のいたるところで工事の鉄骨の音が響き、次々と高層化するマンションの群れに
囲まれて、空はあっという間に狭くなった。
ここまで急激にやられると、まるで何者かに侵略されているかのようだ。

鬱蒼とした深い緑と、それに埋もれるようにして経つ、古い団地の群れ。
なにげに団地萌えの聖地ではないか。
しかしもうあと数年もしないうちに、
きっとこんな景色は姿を消すだろう。

今回の個展では、ところどころに団地が覗きます。
なんだか、この幸せな景色をとどめておくのも、この町に育ちこの町に暮らす画家
としての使命か何かのような気がして。

プロフィール

待井健一

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